禁煙外来を受けませんか?(2025年10月30日よりチャンピックス出荷再開しました)
2021 年6月に全世界でチャンピックスの出荷を停止されていましたが、安定した出荷が可能となると判断され、2025年10月30日より出荷再開を開始されました。
詳細はこちら➡CHX27P003A.pdf(ファイザーより)
チャンピックスとはいったい何か、禁煙に一体どんな効果があるのでしょうか。ニコチネルTTS(パッチ)と比較してみていきましょう。
チャンピックスとニコチネルTTS(パッチ)の違い
禁煙補助薬には大きく分けて チャンピックス(飲み薬) と ニコチネルTTS(貼り薬) の2種類があります。どちらも禁煙成功率を上げる効果がありますが、作用の仕組みが異なります。2種類について詳しくみてみましょう。
| *チャンピックス(飲む薬) | *ニコチネルTTS(貼り薬) |
| ●脳のニコチン受容体に部分的に作用 | ●皮膚から少量のニコチンを体内に吸収 |
| ●タバコを吸いたい気持ち(欲求)を抑える | ●血中ニコチン濃度をゆっくり維持 |
| ●喫煙しても満足感(ドーパミン分泌)が得られなくなる | ●禁煙時の離脱症状(イライラ・頭痛・集中できない)を軽減 |
よってチャンピックスは「吸わなくても平気」「吸ってもおいしくない」という状態をつくり、ニコチネルTTSは「ニコチン不足によるつらさ」を和らげる状態をつくります。
◎禁煙成功率の違いも!?
複数の臨床研究で、チャンピックスはニコチネルTTSより禁煙成功率が高いと報告されています。12週間終了時点の禁煙成功率はチャンピックスが55.9%、ニコチネルTTSが43.2%という結果になっております。禁煙終了3年後の追跡研究では禁煙成功率はチャンピックス15.1%、ニコチネルTTS10.4%と報告されています。
続いてそれぞれのスケジュールについてみてみましょう。
*チャンピックスのスケジュール

(ファイザーHPより引用:https://www.pfizerpro.jp/medicine/champix/product/product-usage)
*ニコチネル(貼り薬)のスケジュール

(HaleonジャパンHP TTS057A_禁煙ガイドブック改定_240801.indd から引用)
チャンピックスの副作用について
【一般的な副作用】
●吐き気: 最も頻繁に報告される副作用で、服用開始から1〜2週間の間に多く見られます
●不眠::睡眠の質に影響を与えることがあります
●頭痛::一部の患者で発生することがあります
●便秘::消化器系の症状として報告されています
●異常な夢:精神神経系の副作用をして現れることがあります
【重篤な副作用】
●皮膚粘膜眼症候群(SJS): 皮膚や粘膜に重篤な反応が現れることがあります
●肝機能障害: 肝臓に影響を及ぼす可能性があります
●精神神経系の症状:幻覚や意識障害が報告されており、精神疾患の既往歴がある方は注意が必要です
【注意が必要な方】
開始前にスタッフにお伝えください
●統合失調症・双極性障害・うつ病などの精神疾患のある方
●腎機能障害がある・血液透析中の方
●妊娠または授乳中の方
●長時間の運転が必要な方
ニコチネルパッチの副作用について
【よくある副作用】
●皮膚症状:パッチの粘着成分やニコチン吸収による刺激が原因で発赤、かゆみ、腫れなどがあります
●頭痛とめまい:ニコチンに体が慣れる過程で一時的に生じることがあります
●吐き気・嘔吐・下痢:消化器系の不調が現れることがあります
●睡眠障害:ニコチンの覚醒作用により不眠や鮮明な夢をみることがあります
●アレルギー反応:軽度の発疹やじんましんが生じることがあります
【重篤な副作用】
- 不整脈や胸痛:心血管系の問題は、ニコチン過敏症や過剰摂取の可能性で起こることがあります
- 呼吸困難:呼吸が苦しくなったり喘鳴が出現した場合救急処置が必要です
- 発作:使用を中止し直ちに助けが必要です
【注意が必要な方】
開始前にスタッフへお伝えください
●狭心症の悪化や、最近心筋梗塞の発作を起こしたことのある方
●重い不整脈のある方
●最近の脳卒中を起こした方
●非喫煙者
●たばこやニコチンでアレルギー症状が出現したことのある方
●妊娠・授乳中の方
まとめ
チャンピックスは禁煙成功率が高く、科学的根拠のある治療です。ニコチンパッチより高い有効性が複数の研究で示されております。
しかしながら副作用がチャンピックス・ニコチネルTTS共にあるため、禁煙外来をお考えの方は医療機関で医師からの説明をよく聞き、医師の指示に従って服用し、適切な指導とフォローが不可欠です。また薬剤師に相談し、他の薬剤との併用に注意することも大切です。
タバコはなかなかやめられません。医師に相談しながら禁煙補助薬を使い、やめる方法も禁煙につながる手段となります。今まで禁煙治療を中断されておられた患者様は治療の再開を、禁煙外来受診をお考えの患者様は当院へお越しください。