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インフルエンザワクチン点鼻薬「フルミスト」導入します

インフルエンザワクチンといえば腕の痛みを伴う筋肉注射が一般的です。注射が痛く嫌がる子どもも多く予防接種をしに病院へ連れて行くお父さんお母さんも一苦労ですよね。

また従来のインフルエンザワクチンがアレルギーなどで接種できずインフルエンザを予防したくてもできないお子さんもいらっしゃいますよね。

2024年より新しくインフルエンザワクチン「フルミスト」の接種が始まりました。注射をしなくていいワクチンとして注目されている方も多いのでないでしょうか。

今年より当院でも導入することになりました。

フルミスト点鼻薬って何?という方も多いと思うので「フルミスト」についてみていきましょう。


フルミストとは?

フルミスト点鼻薬とは、インフルエンザの予防を目的とした経鼻弱毒生ワクチンで、注射の痛みがなく鼻腔内にスプレーするだけで接種が完了します。

フルミスト点鼻薬のワクチン接種は両鼻それぞれに薬を噴射するだけなので痛みがないと言われています。薬のにおいもないそうです。なので注射を嫌がる子どもさんを押さえる必要がなくなりそうですね。


フルミストの効果

従来のインフルエンザワクチン(不活化ワクチン)と同等の効果は得られますがフルミストは生きたインフルエンザウイルスを鼻の粘膜に付着させ免疫を誘導します。インフルエンザの感染経路である鼻や咽頭で免疫がつくられるため高い発症予防効果があるのが特徴です。

従来のインフルエンザワクチンと同じように血液内にも免疫を誘導させるので、もしインフルエンザにかかっても重症化を防ぐことができます。

不活化ワクチンである従来の注射のインフルエンザワクチンの予防接種の効果が4~5カ月程度に対し、生ワクチンであるフルミスト点鼻薬は1年と長く続くといわれています。


フルミストの接種対象年齢と回数

● フルミストが接種できるのは2歳から18歳

● 接種回数は年に1回

従来の注射のインフルエンザワクチンだと2回接種が必要ですが、フルミストは1回で済むので2回目の予定を立てる必要がなくなります。


接種できない人

痛みも少なく感染発症の予防効果も高いフルミストですが接種ができない人もいます。

● 接種対象年齢以外の方

● 発熱(37.5)している方

● 急性疾患にかかっている方

● 妊娠していることが明らかな方

● 明らかに免疫機能に異常のある疾患のある方や免疫抑制をきたす治療をされている方


注意点など

薬にゼラチンが含まれているのでゼラチンでアナフィラキシーやショックを起こしたことがある方は注意が必要であり他にも注意があるので見ていきましょう。

● 心疾患、腎臓疾患、肝臓疾患、血液疾患、発育障害などの基礎疾患がある方

● 予防接種で接種後2日以内に発熱やアレルギー症状がでたことがある方

● 喘息発作を起こしたことがある方

● 卵アレルギーのある方

これらに当てはまることがあるお子さんは医師に相談する必要があります。


副反応

点鼻薬のため鼻水・鼻づまりがでるようです。これらの症状に加えて発熱が加わるとインフルエンザのような症状になることがあります。他にはアナフィラキシーショック(接種してから30分以内に起こることが多いので観察が必要です)などがあります。


メリットとデメリット

<メリット>

● 注射をしないので腕の痛みがない

● 接種が1回で済む

<デメリット>

● 年齢制限がある

● 流量が少なく値段が従来のインフルエンザワクチンより高い

● 流通量が安定していなため予約制にしている病院が多い


まとめ

フルミストは、インフルエンザの予防において注射に代わる新しい選択肢として注目されています。特に子供にとっては、痛みがなく、接種が簡単であるため、非常に有用なワクチンです。ただ点鼻薬が嫌いなお子さんもいらっしゃるので、お子さんに合ったストレスの少ない接種方法考えてあげるのがよいかと思います。当院での接種についての詳細はこちらをご覧ください。

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